田中 洋は、日立造船(Hitz)において、防災事業の展開を行った(2000年ー2005年)。
集中豪雨で多くの家屋が浸水したので、それを防ぐ防水装置、
津波の来襲を海岸で止める陸閘の自動開閉機、津波の来襲を感知し、
警報を鳴らすGPS津波計などである。GPS津波計は、衛星を利用する、
Hitzの開発したハイテク機器であった。
日本近海へは60台程度の設置設置を提案していた。インド洋など世界展開も視野に入れていた。
田中は国交省は勿論、インドネシア、マレーシア、韓国などにも出張して技術広報活動を行った。
時代的には早すぎたかもしれないが、田中の退職後に襲った東日本大震災の勃発で、
事業の方向性は間違っていなかったことが証明されたのは犠牲者を思うと喜べない。
もしここで示した日本近海へ設置が、2011年に完成していたら2万余名の犠牲者の数は、
確実に減っていたであろう。なお、GPS津波計は、現在、18台が日本近海に設置されている。
他の津波計測装置も開発されており、この台数で良いとされている。
なお、田中は、2000年から2004年にわたり、京大大学院/土木/において、「構造工学セミナー」を
担当した。2003年、企業の事業開発として、田中が日立造船において推進していた「防災事業」の
立ち上げ方法を講義した。